SEO対策動向レポート[2015年12月度]

2016年08月23日

ウェブマスタオフィスアワー2015年最終回

2015年12月1日、Googleの社員がウェブマスターの質問に答えるコミュニティ「ウェブマスターオフィスアワー」の2015年最終回が開催されました。
※今回の質問の一部は下記に掲載しております。それ以外の内容については動画をご覧下さい。

・クロールとインデックスの効率について 質問内容:サイト内に各支店ページがあるとき、内部リンクを設置しなくてもGoogleは認識できるのでしょうか?
回答:内部リンクを見ることでサイトをクロールできるため、リンクを設置する必要性がある。ただ、支店ごとにページが存在している場合、ドアウェイページになってし まう可能性があります(地域名のみを変更したページ)。Googleはスパムコンテンツと認識するため注意が必要です。

・noindexとペナルティの関連性 質問内容:サイト全体の3分の2をnoindexにしたときどういった問題がおきるでしょうか?
回答:問題が発生することはありません。ただし、コンテンツが一気に減る可能性が高いため有益であると認識されていれば順位が下落する可能性があります。

・新しいサイトへコンテンツを移動する方法 質問内容:ボリュームのあるサイトの一部を新しいサイトへ移行したい時、元のコンテンツをリダイレクトせずに残しても問題ないでしょうか?(Canonicalタグを付与) 回答:やり方としては問題ありませんが、rel=”canonical”は命令ではなく「手がかり」として扱っています。そのため、GoogleがCanonicalを認識しない(重複でなかったり 何かしらの条件が満たされなかった)とき、大きな問題となります。そういった点が問題にならないのであれば、Canonicalタグの移行方法で対応して構いません。

エリアを指定して検索できる絞り込み機能廃止

2015年12月2日、Googleが検索の絞り込み機能の一つである「地域情報」設定を削除した事が明らかになりました。 Google社広報担当者によると「利用者が少ない」ことが削除理由だと言うことです。

地域情報設定とは、指定したエリアに基づいて検索を行う機能。例えば「奈良県奈良市」と設定し検索すると同市内で検索した際の検索結果が表示されます。 Googleは検索利用者の現在地情報を基づいて検索結果を表示させています。 つまり、この機能は特定の場所の検索結果を見たい時に使用し、検索ツール内に「場所」という名前で指定する事が可能でした。

しかし、広報担当者が述べるように一般利用者がこのような機能を使う頻度は少なく、そもそも認知されていたかどうか定かではありません。 この記事の情報を見て初めて「そういう機能もあったのか…」という人もいるのではないでしょうか。 我々SEO担当者や飲食店や不動産系のWeb担当者はこのツールの用途として状況を確認するために用いていました。

今後各都道府県並びにエリアの検索を行うには以下の二つの方法があります。
・Chromeの地域情報エミュレート(緯度と経度をChromeに設定する事で閲覧可能)
・AdWordsの広告プレビュー

ヴェニスアップデートの影響などを考えられる場合、上記方法によってエリア検索を行う事を推奨いたします。
※上記図のように場所を選択できる部分は削除されております。

順位変動

Googleがガイドラインを公開

2015年11月20日、Googleが検索結果の品質を評価するためのガイドラインを公開しました。
2008年・2011年・2012年ではガイドラインが流出し、2013年では要約版を公開していましたが、今回は160ページのPDFファイルで構成されています。 また、PDFファイルの構成は大まかに四つの項目に分かれています。

・Part 1: Page Quality Rating Guideline⇒ページ品質評価ガイドライン 内容:評価者がサイトやページをどのように評価すべきかの基準に関するもの
・Part 2: Understanding Mobile User Needs⇒モバイルユーザーのニーズを理解する
内容:ユーザーとモバイルの関係性を示した内容
・Part 3: Needs Met Rating Guideline⇒ニーズメット評価のガイドライン 内容:モバイルを使用しているユーザーの検索に対し、同評価するかを示した内容
・Part 4: Using the Evaluation Platform⇒評価プラットフォームの利用 内容:評価する際のシステムの使い方などを示した内容

今回のガイドラインはランキングに関するアルゴリズムの内容が記載されているわけではありません。 また、特効薬となりうるガイドラインではありませんが、どのような基準でサイトを評価しているかを示す一つの判断材料として活用できる。

Googleは今年、ハッキングなどのセキュリティ問題についてブログ記事やHangOut内で強化を呼び掛けていました。
近年、GmailやGoogle検索などではセキュア接続を実現しており、昨年HTTPS URLの掲載順位を若干引き上げるという取り組みも発表されました。

HTTPSページを優先的にINDEX可能へ

2015年12月18日、GoogleはHTTPSページがどこからもリンクされていない状態であったとしてもHTTPSをインデックス出来る仕様に変更されました。 同一ドメインの二つのURLが同一コンテンツの場合、以下の条件を満たしている場合はHTTPSを認識する事になります。
・セキュアでない依存関係が含まれていない。
・robots.txt によってクロールがブロックされていない。
・セキュアでない HTTP ページに(または HTTP ページを経由して)ユーザーをリダイレクトしていない。
・HTTP ページへの rel=”canonical” リンクが含まれていない。
・noindex robots メタタグが含まれていない。
・同一ホスト上の HTTP ページヘのリンクが含まれていない。
・サイトマップに HTTPS URL が掲載されている(または URL の HTTP バージョンが掲載されていない)。
・サーバーに有効な TLS 証明書がある。

今回の発表は「優先的に検索ロボットが認識する」という事であり、ランキング要素には影響しません。 ただし、URLがHTTPからHTTPSに条件が満たされていれば認識されてしまう可能性があります。 意図しないURLが認識される可能性がある為URLの正規化(Canonical設置や301リダイレクト等)が必要です。